外食業界に調理ロボットが登場して以来、人手不足対応や人件費削減などさまざまなメリットを背景にして、大手チェーンを中心にさまざまな機種が導入されている。
「協栄商会株式会社」は2022年10月,飲食店向けの調理ロボットに特化した中国のフードテック企業である不停科技(BOTINKIT)から正式に「日本正規代理店」を委任致しました。下ごしらえから炒め、煮込み、揚げ、あんかけ、味付け、攪拌などの調理、温度調整、鍋の自動清掃・殺菌まで、多彩な機能を備えた多目的キッチンロボットだ。
「BOTINKIT」は、材料投入や皿の用意のタイミングなどをすべてタッチパネルと音声で指示してくれるため、全く調理をしたことのないアルバイトでも指示に従って操作するだけで料理を作れる。ジャンルは和洋中問わない。
鍋の角度と回転、加熱量といった微妙な加減も自動制御するため、人の手によるのと同様の炒め調理や煮込み料理が可能になるという。例えば香味野菜を油で炒めて香りを立てるといった「手しごと」を自動化できる。
12種類の調味料(液体調味料6種類、水溶き片栗粉、粉末調味料5種類)をカートリッジに入れておけば、適切なタイミングと量で自動投入するので、人の手で調味料を入れたり計測したりといった手間も不要だ。
基本的な調味料で調理できるので合わせ調味料が不要になり、省スペース化や原価抑制にもつなげられる。一度に最大20人分の料理を数分で仕上げることができるため、ビュッフェや給食施設などで効率的に調理でき、セントラルキッチンでも下ごしらえなどに活用できる。
料理学習・再現システムは同社が独自に開発したアルゴリズムを採用し、どんなレシピでもデジタル化して「BOTINKIT」で再現できるようにした。
日本向けのレシピについて、協栄商会株式会社は「李錦記」シリーズなどを扱う中華食材専門商社の大榮貿易公司(東京・神保町、星野順一社長)と共同開発した。大榮貿易公司には顧問シェフが在籍しており、20年間で1万以上の中華を中心としたレシピを開発。「BOTINKIT」にも搭載されているという。
もちろんオリジナルレシピの登録も可能。レシピはクラウドを通じて全店舗のロボットに配信され、また更新も一斉に行えるため、店舗での個別作業は不要だ。搭載AIにより食材使用量や売上を本部へ報告したり、POSやデリバリーシステムとの連携もできるという。
同社は、「『BOTINKIT』の導入により料理人の負担が減らせ、かつ味のバラつきもなくなる。名シェフのレシピをいつでも誰でも再現できるという強みは大きい。万が一のトラブル時もアフターサービス部門が万全のフォローを行う」と、自信を見せる。
中国ではウォルマートのフードコートで採用されており、日本では2023年5月に正式販売を開始して以来「味が良い」と好評で、外食チェーンや量販店から問い合わせが増えているという。
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